40代~70代の女性受刑者

ワークショップの撮影と取材は、刑務官立ち合いのもとで行われた。
ダビッドさんのワークショップに参加するのは40代~70代までの6人の受刑者。このうち2人の受刑者に「罪名」を聞くことが許可された。
40代の女性受刑者は「覚醒剤取締法違反」。
そしてもうひとりの60代女性受刑者は、「答えたくない」と話した。
ダビッドさんはまず、自らの生い立ちについて語った。

ダビッド・メスギッシュさん
「わたしが初めてお父さんに会ったのは刑務所でした。なぜ、囚人の家族も苦しまなければいけないのか、私はいつも自分自身に問いかけていました」

「受刑者家族」としてこれまでどんな思いで生きてきたのか。ダビッドさんの言葉が、自らの家族が置かれた状況と重なったのだろうか、何人かの受刑者は涙を流した。
スマートフォンに戸惑う受刑者たち

ダビッドさんの作品は、顔などをスマートフォンでスキャンすることからスタートする。読み取ったデータをパソコンにとりこみ、形を造り出していく。

ダビッドさんが自分のスマートフォンを取り出すと、受刑者たちが戸惑う様子を見せた。
長期間、刑務所の中にいるため、スマートフォンを目にすることも、扱いも慣れていないのだった。














