歴代社長ら4人起訴も無罪に‥「けじめつけられていない」

この事故では歴代の社長ら4人が業務上過失致死傷罪で個人として起訴されました。しかし、4人はいずれも無罪が確定しました。大森さんはその当時の思いを次のように話します。
(大森さん)「がっかりしました。4人はいずれも無罪。けじめがつけられていないと思っています」
これだけの犠牲者を出しながら誰も刑事責任を負わないのはおかしい。そもそもJR西日本自体の刑事責任が問われるべきではないか?大森さんらはそう考え、大学教授や弁護士らを招き勉強会を開き、話し合うようになり、知識を吸収していきました。というのも、今の刑法では、大事故が起こっても企業の罪を問うことはできないのです。
一方で、海外には企業や組織を罰する法律を導入している国があります。イギリスでは2007年、企業の責任を問う法律ができました。死亡事故が起きた場合、企業トップの責任を立証できなくても安全対策が不十分だと認められれば企業に上限のない罰金が課されます。また有罪となった事実を公表する義務も課せられているということです。
大森さんもイギリスに渡航し、現地を視察するなどして、あらためて「組織罰」の必要性を実感したと言います。