七尾市で2年ぶりの通常開催となった青柏祭が5日、幕を閉じました。
復興に向かう七尾の町が熱気に包まれる中で行われたバスツアーを取材しました。
案内人は、能登デスクさん です。
「すごい!」

七尾市で2年ぶりの通常開催となった青柏祭。
市内3つの町から出される高さ12メートルのでか山を見に多くの見物客が訪れ、大きな歓声が上がっていました。

能登半島広域観光協会の広報、「能登デスク」の中山智恵子さん。
現地で実際にでか山の巡行を見るのは初めてです。
「あんなにスピード早いとは思いませんでしたね。これを体験できるって貴重ですね。すごい、今もドキドキしてる。もう1回やりたい。」
能登デスクの中山さんが普段、働いているのは 金沢駅にある観光案内所。
観光ルートの案内だけでなく観光客誘致などによる地域活性化が能登デスクの仕事です。

福岡県出身の中山さんが能登デスクになって8年、感じている能登の魅力は。
能登デスク・中山さん
「人! 人しかないって言うのも失礼ですけど。やっぱり私は地元が福岡なので全くこっちに縁もゆかりも正直なかった。そんな私を誰一人としてよそ者扱いせず受け入れてくれて、今では色んな所に親戚がたくさんいる感じ。」
中山さんが発信するSNSを見て、立ち寄ったという能登町出身の男性は
「金沢は見たところ、外国人観光客がすごくてこっから先、北の方にもっといってほしいなと思っていて、X(などSNS)でいろいろ紹介いただいているのが促進剤になってもらえるとありがたい。」
4日、中山さんを案内人とする青柏祭体験ツアーが行われました。
「私はお話上手じゃないのですが皆さんと能登に行くことを楽しむ係としていつもここに乗っています。」

ツアーには、国内外からの18人が参加しました。
滋賀からの参加者
「能登デスクさんきっかけ。(能登デスクさんのSNS見て?)そうです。」
珠洲出身の男性客
「青柏祭が初めてなのででか山が曳けるということで、あと、ざいを作れるって事でいろいろ体験できるかなと。」
台湾から来た女性客
「地震の後、みんなどうやって頑張ってるか知りたくて。」
金沢駅を出たバスは、午前中、和倉温泉お祭り会館へ。
和倉温泉お祭り会館 ガイド遠藤敦さん
「今は13メートルくらいですけどその当時(明治時代)は18メートルくらいあったということでこれよりもまだ一回り高さがあって、大きい でか山 が引っ張られていた。」
和倉温泉お祭り会館のガイド・遠藤敦さん による青柏祭の説明に続き、祭りで歌や踊りを盛り上げるために木遣りなどが手に持って振る「ざい」の制作を行いました。

岐阜在住の女性客
「他の地域のお祭りに参加できるってなかなかないもうすでに楽しい。
東京で入院してて、そこから北陸新幹線で来た。ずっと病室でたまっていたので、やっと外に出られた。」
能登デスク・中山さん
「泣いちゃう、嬉しい。能登(を選んでくれた)っていうのがうれしい。」
和倉温泉お祭り会館 ガイド遠藤敦さん
「お仕事的には、やっぱり中山さんも私も石川県、能登の方の観光地域づくりっていう意味では同じ仕事の仲間として本当に今まで、これからもなんですけど色々協力してもらい本当に大事な存在かなと思う。」
お祭り会館で曳山体験をして、午後からはいよいよ最高潮を迎える青柏祭へ。

「そっち裏側やぞ そうそう」「こっちが前やぞ」
祭りの1週間前、今回ツアー客を迎えてくれた魚町では、でか山の形を綺麗にする「竹囲い」を作っていました。2年ぶりの青柏祭に向けて50人あまりが集まって準備を進めます。


「この祭りは誰でも参加できるお祭りなので一緒に山を引っ張って楽しんでもらえたらいいかなと思います。」

「こういう大きな祭り、曳山っていうのはおそらく見る機会が少ない。それに感激していただきたい。あとは綱を引っ張って動く実感を味わっていただきたい。」
副総代の大岡さんは能登半島地震で自宅が半壊となり、氷見市で生活しながら祭りの準備を進めてきました。
魚町でか山保存会・大岡良浩 副総代
「去年も、なんでできないのかという人もいたから今年は祭りをするにあたっておそらくみなさん喜んでいるのでは。県や市の方が道路の整備をきちっとしてくれた、能登の祭りって七尾のでか山がスタートになるので僕らが(祭りを)やることによって全体が盛り上がってく、やるからには盛大にやりたい。」
地震からのまちなかの復旧が間に合わず、去年は中止を余儀なくされた青柏祭。
2年ぶりのでか山です。
この日は「戻り山」。
魚町のでか山は、午後2時ごろ大地主神社から町内に向けて出発します。
青柏祭の最大の見どころ「辻廻し」。
狭い路地を曲がるときに大梃子を使って車輪を浮かせ方向転換を行います。

ツアー客も綱を握って「辻廻し」を体験しました。
北海道から来た男性客
「最初ひいたとき全然動かなくてこんなの動くわけないじゃんって感じだった。何回もひいてると動いて壮観だった。」
東京から来た夫婦
「こんなおおきな山車が出るなんて相当珍しいからやっぱり来てよかったなと思って、あと(お祭り)会館で祭りが同じ地域にあんなにいっぱいあるってことがすごいなって。また機会があったら他のも見てみたいと思った。」
能登デスク・中山さん
「これをきっかけに色々な祭りやイベントに立ち寄るっていうツアーをこれからも開催して能登の現地の方とふれあっていただける機会を作りたいと思う。」
「今って、もともとあった素敵な能登の風景と震災で変わってしまった能登の景色っていうのもあると思うがそれも全部ひっくるめて能登を好きっていってもらえるように私はこれからも発信していきたいと思う。」

能登デスク・中山さんはきょうも、能登に多くの観光客を導いています。