1年通じて12球団と真剣勝負

野口捕手が“勝色”のピンストライプのユニフォームに初めて袖を通したのは、5月3日の中日ドラゴンズ戦。チームの扇の要を務める以上、チームメイトとのコミュニケーションは欠かせない。取材したこの日も、練習では複数の投手の球を受け、積極的に話しかける姿が見て取れた。

実はトライアウトを受験するまで、「くふうハヤテ」というチームについてほとんど知らなかったという野口捕手。ただ、2軍とはいえ、1年間を通してセ・パ12球団と真剣勝負する球団の姿に「プレーの質の高さを感じたし、ここなら自分もさらに向上できる」と確信したという。

ベンチ入りした試合では早速、守備から戻る選手へハイタッチで迎え入れ、チーム最年少の松本陣内野手(静岡・知徳高出身)に肩組みをされ、白い歯を見せるなど、チームに溶け込もうとしている。試合後にそのシーンについて話を聞くと「ちょっと舐められてるのかな」とおどけながらも、「先輩・後輩関係なく絡みにきてくれる選手が多いのでありがたい」と笑顔だった。新天地では、イジられ役からボケ・ツッコミまで「すべてこなせます」とチームの良い雰囲気づくりにも一役買ってくれそうだ。