4月でも減らない食中毒「今年はダブルで流行する可能性がある」

井上キャスター:
なぜ、いま、ノロウイルスが猛威をふるっているのか専門家に話を聞きました。
食中毒の原因は「細菌性」「ウイルス性」と、大きく2つに分けられます。
【食中毒の原因は?】
<細菌性:カンピロバクター・サルモネラなど>
・20℃以上で活発に増殖
・春~秋に多い
※ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長によると
<ウイルス性:ノロウイルスなど>
・低温&乾燥を好む
・秋~冬に多い
ウイルス性のノロウイルスは冬だけではなく、この時期でも発生することがあるそうです。
群馬パース大学大学院 木村博一教授は「今年はダブルで流行する可能性がある」といいます。

実際に4月に入っても患者・調理者からノロウイルスが検出され、「集団感染」の可能性があるケースが多く報告されています。
<22日 大分市>
弁当店を利用した20~50代の13人が下痢、おう吐
<23~25日 北海道・旭川市>
保育施設に通う園児ら21人が下痢、おう吐
<24日 東京・江東区>
給食を食べた小学生ら83人が下痢、おう吐
なぜ春までノロウイルスが流行しているのでしょうか。

木村教授によると、ノロウイルスは38種あり、今シーズンは12月から『ノロウイルスGⅡ.4』、2月からは『ノロウイルスGⅡ.17』が流行しました。例年だともっと早い段階で流行するはずが、後ろ倒しになってしまっているというのです。
考えられるのは“変異の可能性”です。
コロナ禍を経て、ウイルスの型自体が変異し、(暖かくなった)今の時期も流行るようになってしまったのではないか。
さらにもう一つは、私たちがコロナ禍に感染対策を徹底的に行っていた結果、ノロウイルスに感染せず、体がノロウイルスに慣れずに免疫が低下した。こういったことから今年はダブルで流行しているのではないかというのです。

木村教授は「ノロウイルスの流行は5月末頃まで収まりそうにありません。十分注意してください」といいます。
「ゆる言語学ラジオ」製作・出演 水野太貴さん:
もう、お弁当を作るのをやめるか、作ってもすぐに食べるようにします。私はノロウイルスに罹ったことがないのですが、知人に聞くと「数日間も苦しんだ」と言っていましたので罹りたくないですね。
出水麻衣キャスター:
家族の誰かがノロウイルスに罹ると、家庭内感染の危険があります。

井上キャスター:
ノロウイルスに有効なワクチンや特効薬はありません。
ひなた在宅クリニック山王 田代院長は「症状が出たら、下痢止めなどの使用は控え、おう吐・排便は我慢せず、ウイルスを体外に排出してください」としています。
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<プロフィール>
水野太貴さん
大手出版社で編集者として勤務
YouTubeで「ゆる言語学ラジオ」で言葉のおもしろさを発信