流通の問題? 卸売業者「JA全農が用意できないという話」

コメの価格は2024年4月から2025年4月までの1年で2倍以上も跳ね上がった。備蓄米を放出しても、高騰は続いている。

農水省はこの要因を「流通の問題」との説明を繰り返している。

江藤拓 農林水産大臣
「今回、卸の方々も前年に比べてコメはたくさんもっている。でも出さない。在庫が尽きてしまうのでは、という漠然とした不安感がある。卸はこれからは自分の手元のストックを含めて出していただきたい」

生産されたコメの半分近くは、JAなど集荷業者、そして卸売業者やスーパーなどを通して消費者のもとに届けられる。

コメを持っていると指摘されてきた卸売業者は農水省の説明をどう捉えているのか。卸売業者で組織される全国団体、全米販の山﨑元裕理事長に話を聞いた。

全米販 山﨑元裕 理事長
「国からはコメはあると説明をいただいています。ただ実際に我々が買えていない。我々の仕入れ先はJA全農になるけど、JA全農が用意できないという話なので。年間の扱い量の7割程しか仕入れられなかったというところから始まっています。流通段階にどこかにあるだろうという(国の)見解ですけど、どこにあるかという説明を我々は伺っていない」

「不安感から在庫を抱えている」という農水省の見解についてはこう疑問を呈す。

全米販 山﨑元裕 理事長
「卸売業者はあてもないコメを仕入れて仲卸に買いに来てくれるのを待っているわけではないんです。我々は実需に基づいて買っています。我々の手元にある在庫というのは全て紐付きの在庫なんです。(令和)7年産が出回るまで何とかコメをつなごうとしています」