「定期借地権付きのマンション」割安だが、投資には向かないデメリット

高柳キャスター:
少しでも安く買いたいという人には、「定期借地権付きのマンション」というものもあります。

期限付きで借りた土地にマンションを建設するというもので、建物のみを購入できます。
例えば、30年という期限で買っていった場合、30年後には引っ越しをして、建物を解体し、地主に返還しなければなりません。

1億円で販売していた通常の分譲マンションが、借地権付きですと9000万円程度と、約10%安くなることもあるそうです。これはお得なのでしょうか。

TBS報道局経済部 竹岡建介 記者:
確かに、価格面では少し割安というメリットがあるのですが、デメリットもあります。

期限は70年や90年が多いのですが、期限が近づくと更地にしなければいけないので、建物としての資産価値が減ってしまう可能性があります。
割安ではありますが、どこまでリスクとして取れるかという、先々のことを検討して購入する必要があります。

井上貴博キャスター:
ここからもまだ(マンション価格は)上がっていきますか。

大和証券チーフエコノミスト 末廣徹さん:
新築だけでなく、中古も(マンション価格が)上がっているので、(高騰の理由は)資材だけではないと思います。「今買わなければ」という気持ちが強い人が多いので、中古も上がっているのだと思います。

出水麻衣キャスター:
「今買わなければ」と言った方が売れるから、不動産会社の方が「そういう売り文句を言う」という見方もありますが…

大和証券チーフエコノミスト 末廣徹さん:
その面もあると思いますが、現実問題として、この十数年ずっと上がってきていて、言っていたことは正しかったことになっています。そのため、よりそれが正しく聞こえるので「買おうかな」という気持ちになっているところもあると思います。

あと、「定期借地権付きマンション」という、資産価格が下がるとの話もありましたが、「半分投資」となると、どこかで「売る」という話が出てくる。例えば70年の期間があっても、40年住んだら残り30年。すると、次に買う人がローンを30年までしか組めない。「投資」という目線だと難しいのではないか、という面が出てきます。何を重視するか、何を捨てていくかなど、難しいところがいろいろあります。

井上キャスター:
投資なのか、住むのか。どうするのかというところですね。

大和証券チーフエコノミスト 末廣徹さん:
現状では、投資目線の人が増えてきていると思います。私の友人でも、最近タワーマンションの抽選に当たったとのことで、「良かったね」と言ったら、表情が少し曇っていて「これからローンを払うと思うと心配だ」という状況でした。