宮内庁は4月からYouTubeのチャンネルを開設しました。宮内庁のSNS戦略強化の理由とは?
宮内庁公式YouTubeチャンネル開設、その狙いは「若い人」?

高柳光希キャスター:
4月1日に開設された宮内庁の公式YouTubeチャンネルには、2025年、日本国際賞や万博開会式の天皇陛下のおことばなどの動画が上げられています。
4月18日現在、80本の動画が公開されており、登録者は11万人を超え、約2週間でかなり登録者数が伸びています。
宮内庁はどのような思惑でYouTubeを始めたと考えられますか。

TBS報道局 牧嶋博子 解説委員:
宮内庁としては、若い人に見てほしいということがあります。象徴天皇制を維持するには、皇室の活動への国民からの理解と支持がとても重要です。
ただ、若い世代は今、新聞もテレビも見ない人が多くなってきているので、若い人に関心を持ってもらうために、SNSで情報発信していこうという考えで始めました。

高柳光希キャスター:
宮内庁はYouTubeだけではなく、2024年4月にインスタグラムも開設しています。
1年間の投稿数は244件で、4月18日時点でフォロワーは192万人を超えています。ちなみに、国民的シンガーソングライターのあいみょんさんのフォロワーは約202万人、SnowManのラウールさんのフォロワーは約197万人です。
宮内庁広報室によると、インスタグラムでは御料牧場でのお写真や、ご即位から5年の記念写真、愛子さまと御料牧場をご散策された際のお写真が人気だということです。公務ではなくプライベートなものが多い印象ですね。
TBS報道局 牧嶋博子 解説委員:
インスタグラムの中では、プライベートの写真がとても人気ですね。

宮内庁は2024年にインスタグラムのフォロワーを分析し、2024年12月に発表しました。「若い人に見てもらいたい」という狙いですが、34歳までを「若い人」とすると、17.3%しかおらず、7割近くが45歳以上のフォロワーになっているということです。
【宮内庁インスタグラムフォロワー年齢比】(宮内庁広報室より 2024年9月時点)
13~17歳:1.4%
18~24歳:5.7%
25~34歳:10.2%
35~44歳:16.3%
45~54歳:28.0%
55~65歳:26.7%
65歳以上:11.7%
日比麻音子キャスター:
全体で見たら20代から30代前半の方が少ないと言えるかもしれません。しかし、フォロワー数が192万人を超える中でのこの割合、45歳以上のユーザーがこれだけ支持してるということに驚きました。
南波雅俊キャスター:
インスタグラムなどSNS発信をしなければいけないぐらい、若い人たちへのリーチは大きな課題なのでしょうか?
TBS報道局 牧嶋博子 解説委員:
若い人たちは今、新聞もテレビも見ないので、リーチしていかないと皇族の活動に理解が得られません。
例えば、皇室制度をどのように維持していくか、安定的な皇位をどのように継承していくのか衆参両院で話し合いをしています。「20年後、30年後に皇室がどのような姿になっているのか」を含めて考えたとき、若い人たちが「皇室とは一体何をしているのか」「どういう人たちなのか」ということを何も知らないと、意見を表明することもできません。
皇位継承について改正するには、皇室典範の法改正なども必要なので、「若い人たちが皇室に興味を持っていないといけない」という危機感のようなものもあると思います。