トランプ氏が突然出席の理由は“特別扱い”?

小川彩佳キャスター:
突如、トランプ大統領の参加という異例の形で行われることになりました。なぜトランプ大統領自らが交渉の場に着いたのか。その狙いについて、実際に交渉が行われたことで何か見えてきたことがありますか。

ワシントン支局 涌井文晶 記者:
先週、発動直後の相互関税の一部を一時停止に追い込まれるなど、トランプ関税を巡ってはこのところマイナスのニュースが目立っていました。それを払拭したい、関税は良いものだということをアピールする良い材料を、できるだけ早く得たいということで、トランプ大統領自らが出てきたということではないかと考えています。

トランプ政権は、90日間で75か国と交渉をまとめるという腹づもりですが、通常、通商交渉というのは1か国とやっても年単位で時間がかかるものです。時間がありません。

そうした中で、日本は対抗関税など、アメリカに対する対決姿勢をとっていないという国です。交渉をまとめやすい相手と見て、トランプ大統領自らが交渉に参加して、ある種、特別扱いをして見せたということではないかというふうに見ています。

藤森祥平キャスター:
トランプ大統領は自分のアピールを気にしていますけれども、今回、なぜ交渉の場にカメラを入れなかったんですか。

ワシントン支局 涌井文晶 記者:
なかなかはっきりした事がわかっておりません。首脳以外との会談ではカメラを入れないというホワイトハウスの慣例もあるようです。

なので、それに従ったという見方もありますが、トランプ大統領としましては、あくまで貿易戦争の本丸は中国です。

SNSに「日本との会談は生産的だった」とアピールした上で、中国からの接触に期待する投稿をしていました。

日本を始め、中国以外との国の交渉はできるだけ早期にまとめたいという中で、テレビカメラを意識したパフォーマンスをする余裕がないという状況だったのではないかというふうに考えます。