「セリ」といえば七草粥が一般的ですが、それ以外の“セリグルメ”人気が高まっています。一方、生産量日本一の県では心配な問題も…。
セリ人気「鍋」提供店は4倍に
「セリ鍋を食べに来ました」(男性客)
「このえぐみが春って感じで、毎年味わいたい」(女性客)

宮城県の食材を使った料理が自慢の『すりみや』神田淡路町店(東京・千代田区)で多くの人が食べていたのが、「セリ鍋」(1人前1749円)。
山盛りのセリを、鶏肉の旨味が染み出たダシにからめて食べる人気メニューです。

THE TIME,マーケティング部 新名真愛部員:
「セリがシャキシャキ。春菊や水菜に近い味わいで噛めば噛むほど甘み・ほろ苦さを感じられてクセになります」

実は、「セリ」は宮城の特産品で生産量も日本一。
『すりみや』では一年を通してセリ鍋を提供していますが、「お客さんの9割がセリ鍋を食べて、一度食べたら9割くらいがリピートしてくれる」(大野順也店長)とのこと。
『ぐるなび』の調査でも、首都圏でセリ鍋を出す飲食店は約10年で4.2倍に!
「セリ」人気が急上昇していますが、鍋料理だけではありません。
都内に続々「セリグルメ」

東京・豪徳寺の『どうしようもない恋の唄』では、期間限定の「秋田産せりラーメン」(1200円)が人気。こってりした醤油スープと、セリの爽やかさがマッチした一杯です。
池袋のラーメン店『ROCK'ANDO 六感堂』では、セリと牡蠣をのせた「仙台せり牡蠣カレー南蛮」を提供。(2200円※期間限定・現在は終了)

中目黒の『関谷スパゲティ』では、ハマグリの旨味と春セリの香りたっぷりの「黒胡椒麺 はまぐりとセリのボンゴレビアンコ」(1050円※期間限定・現在は終了)が販売されるなど、様々な“セリグルメ”が登場しています。

セリ「注目のきっかけ」は東日本大震災
旬のセリは根まで食べられるのが特徴で、茎はシャキシャキ、根には甘味があり、部位によって色々な味が楽しめるのも魅力の1つ。

最近はスーパーでも取り扱いが増えているとのことですが、そもそもセリが注目されたきっかけは、2011年の大震災だといいます。
『日本農業新聞』永井 陵記者:
「東日本大震災以降、都内の飲食店などが“復興応援”という形でセリ鍋の提供を始めたことで、知名度が上がっていったのかなと」

セリ鍋が大人気の居酒屋『すりみや』の店長も、「東北の野菜をとにかく仕入れて、とにかく売って、少しでも応援をしようと。それが目的だった」と話します。