新年度が始まりました。期待や新しいスタートとともに、生活に直結する「変化」もー。長崎県内では、運賃や水道料金、給食費などが相次いで値上げされ、路線バスは減便、背景には物価高騰や人手不足といった、いま多くの地域が抱える課題があります。
運賃値上げが相次ぐ

長崎市民の足である路面電車は、きょうから大人が150円、小学生が80円に、それぞれ10円値上げしました。
JR九州も運賃を改定し、たとえば「長崎駅~長与駅」間は40円アップの270円に。通勤定期券もこれまでより2,010円高くなりました。
また、西九州新幹線(長崎~武雄温泉)も200円引き上げられ、3,800円になっています。
航空路線でも変化があり、長崎空港と五島・壱岐・対馬を結ぶORCも、3月30日から運賃を値上げしました。
路線バスは減便へ…「運転士不足」が深刻に

【西肥バス】
4月1日から15の区間を廃止
路線バス平日は18.8%、土日祝は16.1%の減便
【長崎バス】
4月16日から減便を実施予定
背景には全国的な課題でもある「運転士不足」。
長崎バスでは、昨年度退職した運転士が36人だった一方で、新規採用はわずか5人にとどまっています。

長崎自動車 自動車部運転課 森山純課長:
「大型二種免許の取得者自体が減少しており、なり手不足が現状です。
できる限りお客様に迷惑をかけないよう、日中の便を中心に調整しています」

具体的には、午前9時〜午後3時台の便が平日で17%減便。土日祝は10%前後減便。朝夕の通勤時間帯については、勤務形態の見直しなどにより、最大2.2%の減便に抑えたとしています。
水道・電気・給食費…暮らしの基本にも影響

▶島原市・南島原市などで水道料金が4月使用分から値上げ
▶電気料金は、大人2人世帯の平均で月302円の上昇見込み
▶長崎県内4市(佐世保・平戸・雲仙・対馬)で、小中学校の給食費の保護者負担が増額
また長崎バイオパークでは、水道・光熱費・飼料価格の高騰を理由に4月1日から入園料を200円値上げしました。大人2,100円▽中高生とシニア(60歳以上)1,500円▽3歳~小学生まで1,100円
移動や食、エネルギーなど、暮らしに欠かせない分野で次々と始まった見直しや値上げ。その背景には、物価高、人口減少、人材不足といった、地域社会の持続可能性が問われる問題が横たわっています。