現在も過去も、気に入らない言論を暴力で黙らせようという、ルール違反の輩(やから)はいるものです。1960年代前半は政治少年によるテロ事件が連続しました。『風流夢譚事件』では50歳の女性が亡くなっています。(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

中央公論社の社長襲撃

1961年の2月1日、中央公論社・嶋中鵬二社長の自宅が、刃物を持った犯人によって襲われました。

中央公論社・嶋中鵬二社長(当時)と、殺された丸山加禰さん

嶋中社長は外出していて難を逃れましたが、犯人は家政婦の丸山加禰さん(当時50)を刺し殺し、雅子夫人に重傷を負わせて逃げました。

近くの病院に運ばれたときには、すでに丸山さんは死亡、雅子夫人はようやく一命を取り留めました。これが『風流夢譚事件』または『嶋中事件』と呼ばれる事件です。

東京・市谷砂土原町の現場は、事件直後から大騒ぎになりました。