『海外需要の開拓』が狙い?「コストで輸出米の価格は高くなる」懸念も

なぜ政府は今、米の輸出を増やしたいのでしょうか。農水省が3月に発表した米の輸出に関する資料によりますとと、国内の米の需要は毎年約10万tずつ減少していて、新たな海外需要の開拓を図る、そういった意図があるようです。
実は、世界で人気上昇中の日本の米。おにぎり専門店「おむすび権米衛」はアメリカ・フランスに4店舗を構えていて、国内・海外ともに一番人気の具材はサケだということです。また、アイリスオーヤマは「海外向けパックご飯」を2022年に台湾で販売開始していて、2024年はアメリカにも進出しています。
しかし、今の8倍にまで輸出を増やせるほど需要があるのでしょうか。東京大学大学院の鈴木宣弘特任教授は「輸出のコストがかかるので、価格が高くなる」「世界の主流は長粒種(インディカ米)。日本の短粒種はマーケットが狭い」と指摘。また、政府には「輸出を増やしておけば、いざというとき国内向けに変更できる」という意図もあるのでは、と鈴木特任教授はみています。ただ、すでに海外で契約されている場合や、緊急事態(自然災害など)で物流が滞った場合を考えると、現実には簡単ではないと言います。














