「人間の総数を減らす事は皆保険制度を破壊」保険制度はどうあるべきか…

一方、本アンケートでの回答では、高額療養費制度に限らず、国民皆保険制度のあり方についても意見がありました。

(40代男性・がん患者の家族や遺族)
「患者には大変になる制度変更であるのは間違いないですが、今の日本の医療費は国債を発行して税金を投入している状態であり、今の国民の医療費を払うために後の世代にツケを回している状態ということも踏まえないと、無責任な世代間の不公平を生む議論になりかねません。保険財政の限りがあるリソースの中で、一定年齢以上の患者に高額治療を実施することの是非、終末期医療の在り方、安楽死制度の導入等を含め、国民全体で総合的に合意形成しなければならない問題ではないでしょうか。高額療養費制度の負担増だけを論点にしても必ず近い将来破綻します。皆保険制度における「公平」の考え方や保険償還の在り方等から議論が必要だと考えます。」

(50代女性・医師)
「癌治療薬が毎年毎年、新たな薬が出てきてたくさんの方々が仕事を自分のペースで調整しながら治療を継続しています。過度な自己負担が進むと治療継続を断念してしまう例もあります。今まで保険料をたくさん収めて、たくさんの人を手助けしていた、納税者ほど自分が病気になった時に十分な支援を受けられないとは、保険制度としては異常です。治療をしっかりして社会復帰してこそ、また社会保険料を収めて、病気の人を支えられるのです。支えられる人間の総数を減らす事は皆保険制度を破壊します。今の日本の人口動態や、医療の高度化、また現代だからこその死生観などを見直し、抜本的に社会保障制度を新たに作り上げる必要があります。」