実弾を撃つことができ、殺傷能力があるおもちゃの拳銃を自宅で所持したとして、60歳の男が警視庁に逮捕されました。

銃刀法違反の疑いで逮捕されたのは、千葉県袖ケ浦市の無職・江原修容疑者(60)です。江原容疑者は今年4月、本物の拳銃と同じく実弾を撃つことができるおもちゃの拳銃2丁を所持した疑いがもたれています。

サイバー捜査をきっかけに江原容疑者がインターネットサイトに別のモデルガンを出品していることが発覚し、その後の家宅捜索で自宅から30丁ほどのモデルガンなどが見つかり、鑑定を進めた結果、このうち2丁について殺傷能力がある“おもちゃ拳銃”と認定されたということです。

江原容疑者は容疑を認めた上で、「違法なものではないかと不安に思っていた」などと供述しているということです。

“おもちゃ拳銃”を所持したとして逮捕されるのは警視庁で初めてです。

“おもちゃ拳銃”を輸入、所持や販売することは違法ですが、ゲームセンターのクレーンゲームの景品として扱われるなど、全国各地で違法に流通していることが問題となっています。警察庁によりますと、この“違法なおもちゃ拳銃”はすべて中国製だということです。

警察庁によりますと、今年に入ってから9月末までに全国の警察で押収された“違法なおもちゃ拳銃”を含む拳銃は400丁に上り、去年1年間に押収した394丁をすでに上回っています。そのうち、おもちゃとして流通している真正拳銃は156丁あったということです。

また、警察庁などは17種類の“おもちゃ拳銃”の回収を呼びかけていて、流通したおよそ1万6800丁のうち、今年の9月末時点でおよそ4600丁が回収されたということです。

警察庁は心当たりがある人は今年の12月31日までに、最寄りの警察署に届け出るよう呼びかけています。