オデーサ 電力インフラ施設への攻撃で大規模停電 夜は氷点下

ロイター通信によると、オデーサでは、18日・19日に2夜連続でロシア軍のドローンによる激しい攻撃があった。18日の夜の攻撃では、子どもを含む4人がけがをし、小児病院や集合住宅が破壊されたほか、電力インフラ施設にも被害があったため、大規模な停電が起こった。

こうした電力インフラ施設への攻撃による被害について、ウクライナのゼレンスキー大統領は、19日、自身のSNSに「オデッサにいる住民の少なくとも16万人が現在、暖房も電気も使えない状態にある」と投稿している。

「夜の気温は-6℃だった」としていて、オデーサ市では、厳しい寒さの中で過ごす市民のため当局により暖を取るためのテントが設営されるなど、対応に追われた。

テントで暖をとる人たち オデーサ市長のテレグラム(19日投稿)

19日にドローンを迎撃する大きな音を聞いたという吉田さんは、攻撃について「急に激しくなってきたんです。私は甘く考えてて、停戦交渉とかって世界は騒いでるから、そんなときは攻撃しないんじゃないかと思ったんです」と話した。

アメリカのトランプ大統領が、ロシアのプーチン大統領とウクライナの停戦交渉に意欲を示し、米ロの高官協議が18日に行われたばかりだった。こうしたこともあり、吉田さんは「世界に非難されるようなことはしないだろう」と考えていたため、今回のドローン攻撃は想定とはかけ離れたものだったと率直な気持ちを話してくれた。

また、オデーサでリハーサルが始まる前には、3日ほどキーウに滞在し、歴史のあるホテルに泊まったが、「全く暖房が効いていなくてお湯もぬるくて、ほとんど水しか出てこなかった」と語った。

ウクライナの中で北に位置するキーウは、真冬には日中でも氷点下の気温が続くこともある。吉田さんは、侵攻開始後、冬にウクライナを訪れたのは今回が初めてだった。

指揮者 吉田裕史さん
「凍てつくような寒さというか。本当に外に出ただけでも、ぴりっと凍る感じの非常に辛い寒さでした。暖を取れない冬の夜というのが、もうこんなにも非常に陰惨なんだ、大変なんだ、辛いんだってことを生まれて初めて経験しました」

ウクライナ・キーウ 17日