制作した記者と堀川惠子さんのやりとり

今回上映した番組は「非の打ちどころのない、良い番組」ではなく、「議論の題材となる番組」を選んでいます。
博多祇園山笠で死亡事故が起きた1年後、どんな安全対策を施して祭りを開催したのか、RKBの土橋奏太記者がニュースで取材した映像を題材にしました。

真剣な議論に聞き入った

RKB報道部土橋奏太記者: 最初は(山笠関係者との)関係作りとして、他愛ない話をしました。でも反応はやっぱり、メディアに敏感な感じ。ちょっと冷たいような感じではあったので、他にも山笠の前にいろんなやることがあり「その取材をさせてください」というような形で関係作りをしていったという形です。
堀川惠子さん: こうして観ると、やっぱりすごい迫力ですね。先方との緊張感もあるし、「なるほど、そういう厳しい中で人間関係を築いて撮ったんだな」と思っていました。これって地方局にいると「逃れられない」というか、「逃してはならない」というか。どうしても、事件や事故が起きて、検証して、やっぱりメディアとしてはきついことも言わなきゃいけないけれども、言いっ放しじゃだめですよね。地方の民放が、視聴者との信頼関係を築きながら、経営を続けていくことに直結すると思うんですけれども、それだけ厳しい取材をして、多分報道でいろいろやってきて、暗い部分を取材せずに「今年こんなにうまくいきました」というのでも良かったわけじゃないですか。そうじゃなくて、やっぱりあえて真正面勝負をしようと思ったのは?
土橋: ネガティブな部分をそのままにしておいて、数年後にまた同じような事故が起きたら「何のための祭りなんだろう」ということにもなりかねないので、そこはやっぱり一視聴者、市民としてもちゃんと密着して、「どのぐらい本気で考えているのか」を自分自身が知りたかった、というのはありました。
堀川: 去年厳しい取材をした局で、なおかつ山笠担当として、あえてそこに入っていった勇気を、本当に心からたたえたいと思います。