医療現場の現状と課題

現在の医療現場の実情を尋ねると、春田先生は「医療技術は大きく進歩しています。その一方で、医師の働き方改革や診療報酬の問題により、医療現場の負担は以前とは比べものにならないほど増加しているように感じます」と語る。

特に問題視しているのは、地域医療における医師の偏在化だ。

「地方の大学病院に勤務していたので、地域医療に従事していましたが、医師1人ひとりの負担が非常に大きい。限られた医療資源の中で最善の医療を提供することが当たり前で、患者さんからもそれが求められています。持続可能な医療体制を整えるためには私たち医師だけでなく、患者さん1人ひとりの協力も必要です。1人でも多くの患者さんに適切な医療を提供できる環境を作るため、医療のあり方について社会全体で意識し、協力し合える世の中になればいいなと思います」(春田先生)。