「社交ダンス」のアマチュアダンサー・前田明さん、77歳。56歳で社交ダンスを始め、これまでに海外の大会にゲストとして出演した経験もあります。今回出場したのは、プロ・アマが同じ条件で競うショーダンスの大会。“新技”を引っさげて、元プロダンサーの娘と共にステージに立ちます。70歳を超えても挑戦し続けるその姿に密着しました。

社交ダンスを始めたきっかけは“妻の死”

 兵庫県内などで会社を経営する前田明さん。ジムでほぼ毎日、2時間みっちりと体を鍛え上げています。

 (前田明さん)「(ダンスの衣装は)30着くらいはあるでしょうかね。年に10~20回くらい踊ってきましたので」

 ヨーロッパを中心に愛され続けてきた社交ダンス。日本でも約130万人が愛好していると言われています(※洋舞を含む)。前田さんが社交ダンスを始めたのは56歳。きっかけは最愛の妻・和美さんを病気で亡くしたことでした。

 (前田明さん)「妻を亡くして、その直後は何もできなかったんです。苦しいことやら悲しいことがありましたが、(社交ダンスに行ったら)タンゴの名曲が大きな音で流れていて、あのときに救われました」

 男手ひとつで4人の子どもを育てる忙しい日々のなかで、たまたま近所のダンス教室に通い始めたところ、すぐ虜になりました。

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 社交ダンスは2人1組で踊ります。前田さんの得意技はパートナーを持ち上げる「リフト」。頭の上まで高く持ち上げる豪快な技は、愛好家の間で“前田リフト”と評されています。2013年にはダンス界のワールドカップと呼ばれるイギリスの大会にゲストとして出演。会場はスタンディングオベーションに包まれました。