大統領令を“連発” トランプ大統領の狙いは?
南波キャスター:
様々な大統領令に署名をしたわけですが、こんな壁もあると中林教授は話しています。

例えば、▼裁判所の判断で、当事者に訴訟を起こされて裁判所の判断で差し止めの可能性もある。あとは、▼議会の立法では不法移民対策への捜査員増員など、予算に関わるものは実行が難しい可能性もあると見ています。
ホランキャスター:
結局、実際に実務として進めていく上で本当に可能なのかどうかというのは、「ビジネスパーソン」としてのトランプ氏、「大統領」としてのトランプ氏という部分を自身の中で考えながらこれから進めていくという感じになりそうですか?
中林美恵子さん:
現実のすり合わせというのは必ず行わなければならないと思いますが、ただ、不法移民については、トランプ大統領が選挙戦の間にずっと主張していたので、言ってみれば「1丁目1番地」になります。
前回はイスラム系の人たちを入れないということになって、各地で訴訟が起こり、すぐには進められなかったっていう過去もあります。
また、不法移民対策で捜査員などを増員しようと思えば予算がかかりますよね。予算は議会が決めなければいけませんから、そういったところも大統領個人の決定だけですぐに実行できるというものばかりではないということなんです。
井上キャスター:
それは、1期目のときに自分がやりたいことができなかったから、今回「イエスマン」を配置して、議会も取りました。そうすると、もうストップをかけられるところがないという危うさはありますよね。
中林美恵子さん:
危うさはありますが、上院では53議席しか取っていません。「フィリバスター」という、100議席のうち60議席の賛成がないとダメというものがありますから、そこが少しは歯止めになるかもしれません。
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〈プロフィール〉
中林美恵子さん
早稲田大学教授
元アメリカ議会上院補佐官(共和党)
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会に出場 3児の父
JOCアスリート委員長