「なんで男の子と遊ばないの?」母の言葉が辛く家に居場所がなかった

▼母・愛美さん
「学校から帰ってくる度に『今日は誰と遊んだの?』『男の子はいるの?』と聞きました。『いない』と答えたら『何で男の子と遊ばないの?』と、毎日ちょっと責めるような感じのことをしてしまっていました」
▼仲本蒼空さん(高校1年生)
「自分がやりたいこととは違うことを(母が)言ってくるのが辛くて。家に帰っても言われるから、安心できる場所がない」
男性でも女性でもない第三の性といわれるXジェンダー。蒼空さんも、数年前まで心と体の性が違うと感じたこともありました。
▼仲本蒼空さん(高校1年生)
「Xジェンダーは簡単にいえば、日によって性別が変わってきます。今日は男の子かな、今日は女の子かなと変わってくる。自分は大体、完全に女子というか、女子寄りなことが多いと感じですね」
▼母・愛美さん
「恋愛対象は男性なので、そこもLGBTQなんだなと思います。よく『彼氏できた?』と聞きます」
▼ディレクター
「今、彼氏いるんですか?」
▼仲本愛美さん
「いないです。いつできるんだ?彼氏がほしいという恋話もします」
今では、前向きで明るい蒼空さんが、影響を受けた人物がいます。それが…
「なんでいいさ~好きなものは好き!」自分らしさ輝くロビンソワさん
マルチ活動家のロビンソワさん。中学2年のときに蒼空さんからカミングアウトされた愛美さんが、悩みを相談したことがきっかけで、親子で交流するようになりました。
この日は、愛美さんと一緒に講演会の講師として実体験を語りました。
▼ロビンソワさん
「初めて男の子を好きになったときも、私の場合は自分に違和感は無かったです。好きなものは好きだから。『なんでいいさ~』みたいなね」
自分らしく生きている姿に影響された蒼空さん。中学では、生徒会に入り、先生に自らカミングアウト。
ジャージ登校を可能にし、時間をずらしてトイレに行くことを認めてもらうなど、積極的に行動しました。
ロビンソワさんに影響を受けたのは、愛美さんも同じです。
悩みを共有できる場所が欲しかった愛美さん。ロビンソワさんの助言もあって、
2023年、LGBTQ親の会を立ち上げました。
情報発信や講演会のほか、月に一度のランチ会を実施しています。
▼母・愛美さん
「しゃべる場があるだけで心が軽くなるし、(自分の子どもに)何かあったときに
相談できる人がいるというのは、子どもにとっても私にとっても心強かったので、
良いコミュニティーだと思います」
今後は、活動を全国へ広げていきたいと語る愛美さん。この活動は、SDGsの目標のひとつ。誰もが生きやすい社会の土台づくりにつながっています。
▼仲本蒼空さん(高校1年生)
「LGBTQは世間一般からしたら『変わってる』というのが一番の印象だと思うんですけど、当事者はLGBTQが一番自分の武器になると思うんです。やっぱり周りと違うことで個性が出る。その個性ってすごく大事なものだなと思うので、それを武器にして生きていったほうがいいなと思います」
▼母・愛美さん
「コミュニティーを全国へ広めて、悩んでいる多くの親御さんとつながりたいです。同じ境遇の親御さんと悩みを共有することで、自分が救われています。LGBTQの子どもを100%理解しなくてもいいんだよ、8割でもいいし7割でもいい。それでも全然いいんだよとみんなに伝えていきたいと思います」
「LGBTQ親コミュOkinawa」が開催している月に一度のランチ会ですが、次回は1月21日(火)に月に一度のランチ会を予定しています。