東日本大震災の風化が課題になる中、記憶と教訓を次の世代にどうつないでいくのか。そのためにつくられた伝承施設は、災害から人々の命を守るために模索を続けています。

いわき語り部の会・油座順子さん(82)「お嫁さんと孫2人が『おばあちゃん大変だよ、海辺の道を走ってきたら海は水が無くて海の底が見えたんだ』って言うんです。『大津波が来るね、大変だ、じゃあ逃げよう』って高台の娘の家の方に逃げました」

今も色あせる事のない、あの日の記憶。災害の悲惨さや命を守るための教訓を次の世代につなぐため、伝承を続ける施設があります。「いわき震災伝承みらい館」です。震災の津波で100人以上が犠牲となったいわき市薄磯地区に2020年に開館しました。

阿部真奈記者「こちらには津波の被害を受けた机が展示されています。下のほうを見てみると、錆びて朽ちていて、震災からの時間の経過を感じます」