語り部の高齢化 年間3000万円超の運営費

オープンからまもなく5年。県の内外から多くの人が訪れていて、昨年度は開館以来、最も多い3万7000人あまりが訪れました。

いわき震災伝承みらい館・高田悟館長「いわき市全体で津波で亡くなった方は300人と言われているが、そのうちの3分の2がこの薄磯と豊間だけで亡くなった。津波被災を中心としながら、いわき市全体を襲った地震や津波、それから原発からの避難、そういった災害の様子を時系列でパネルで展示している」

館長の高田悟さん(63)。震災を経験していない次の世代にも関心を持ってもらおうと、4か月ごとに企画展を開催するなど模索を続けています。

高田悟館長「14年の月日が流れました。当然ながら震災そのものの記憶も薄れていきます。こうした中で震災の記憶を伝承していくっていうこと、胸に届くように震災を伝えていくってことは非常に難しいことかなと思っています」

震災の記憶の風化。さらに、この施設ではいわき語り部の会と連携して、毎週土日・祝日に語り部による定期講話を行っていますが、メンバーの大半が65歳以上の高齢者。震災の記憶を語り継いでいく担い手を育てるのも課題です。また、人件費や光熱水費など年間3000万円を超える運営費も重くのしかかります。