「(保守とは)目の前にある選択肢を改革という名で選択して行く…“緩慢な革新”」
保阪氏は“保守”というものに興味を持って沢山の政治家の本を読んだ。その中で前尾繁三郎の『政(まつり)の心』という本に惹かれた。因みに衆議院議長だった前尾氏は蔵書3万冊と言われる超読書家でもあった。
昭和史研究家 保阪正康氏
「『政の心』の中で、保守とは何かって…、字の解説から歴史解説までしていて…、なるほどなと思ったのは、保守というのは私たちの国の伝統とかものの考え方とかを踏まえながら日常の中で少しずつ改革をして行く…。目の前にある選択肢を改革という名で選択して行く…“緩慢な革新”だ。
保守とは何か立ち止まって古臭い考え方に過去を思い出して、すがっているんじゃないかって…。そうではなくて改革する、それもゆっくり改革していく。ひと世代でできなければ2世代で改革していく。それが“真正保守”。いま日本の政治でこの真正保守という、まっとうな保守を代弁してくれる政党・政治家っていうのがいるんだろうか…」
そして、保阪氏は以前の当番組内でも“今最も求められる政治家”として名を挙げた石橋湛山氏こそ真正保守としてふさわしいと語った。
昭和史研究家 保阪正康氏
「今、石橋湛山がいろんな形で脚光を浴びるのは、真正保守という言葉が彼に代置することができる。石橋湛山を見るということは真正保守を求めてるんじゃないか…。そういうのが政界にも世論にも社会にもあるんじゃないか…(中略)真正保守というのは“イズム”じゃない。政治思想じゃない。日々の律し方、政治の在り方…」
現在の政党地図でいうと真正保守はどこに位置するのか問うと、保阪氏は“中道”と答えた。そして、目指すべき政党地図を語った。
昭和史研究家 保阪正康氏
「極論ですけど…。左派右派いるでしょうけど中道グループとリベラル左派とナショナリズム右派、この3党に…。全部一回解党して作り直したらいいと思いますね」
(BS-TBS『報道1930』12月23日放送より)