書類を取り寄せて知った事実「点滴は止めないといけない」

避難生活中に周囲の人と話をしていると、父親が亡くなったのは「災害関連死では?」と言われたという。

佐藤さん
「でも、中学校の体育館で手続きの準備は到底できませんよ。自宅は全壊して、当時、手続きまで意識がいかないくらい大変な状態でした」

その後、5月の下旬に仮設住宅で暮らすメドがつき、生活の再建をするのと同じくして、病院に資料の取り寄せを依頼した。

9月に入り、病院から当時の看護資料が示された。そこには「点滴は止めないといけない」と記されていた。その記録によると、1月4日の時点で点滴を止めることについての議論がされ、1月5日の早い段階で点滴治療が中断されていたという。佐藤さんは「やむを得ない対応というのは理解できる」としながらも、資料を取り寄せて初めて知った事実に驚いた。

佐藤さん
「地震がなければね、日がゆっくり落ちていくように亡くなることもできたのかなと考えることはあります」