「父が何で死んだのか知りたい」認定めぐる思い

佐藤さんが、災害関連死の申請を済ませたのは12月の初旬ごろ。認定を受けることが目的ではないとしつつも、今はまだ、父親が「地震で亡くなった」とは言えないと強調した。そして、災害関連死と認定されることの意味を尋ねると、こう話してくれた。

2024年1月撮影 被災した石川・輪島市

佐藤さん
「1人の人間の最後のところを知っておきたいんですよ。父の死が震災に関連したのかどうなのか、第三者に見てもらって判断してほしい。小心者の父が、震度7の地震が起きて、何回も余震で揺れる中、どういう心情で過ごしていたのか知りたいんですよね。父が何で死んだのか知りたいという思いがありました」

申請をするために資料を取り寄せることで、これまで知らなかったことを、少しでも知ることができた。しかし、震災の恐怖の中でサポートも無い状況が続き、災害関連死の申請を諦める人も佐藤さんの周りにはいるという。佐藤さんは自身の経験を踏まえ、「ちょっと疑問を持っている人は申請してほしい」と訴える。

家族はなぜ死んでしまったのか。父の死から1年、佐藤さんは審査の結果を待っている。