好きな時間を“長く”感じるためには

Q.好きな時間を長く感じるためには、いつやるのが良いでしょうか?
A:午前
B:午後

恵俊彰:
午前。今早起きだから午前中が長いんですよ。午後はあっという間な感じがするので午前中の方が楽しめるんじゃないですかね。

コメンテーター 朝日奈央:
私も午前中かなと思います。脳がスッキリしてそうなので。

答えは・・・
B:午後

一川教授によると、時間の感じ方には「代謝」が関係しています
代謝が低いときは実際の時間より体感時間が早くなり、実際は1分経っているのに30秒くらいにしか感じられないことも。
一方で代謝が高いときは、体感時間がゆっくりになります。

千葉大学大学院 一川誠教授:
朝方は代謝があまり上がっていないので、時間があっという間に過ぎる感じが強いと思います。夕方ぐらいに大体ピークになる人が多いんですけど、代謝が上がってくると主観的な時間がゆっくり流れる感じが強くなると思います。
また、代謝が激しいと体がよく動くので体験するイベントが増えることになります。短い時間でいろいろなことができるので、楽しい時間を長くすることにつながります。

恵俊彰:
子どもたちのサッカーの試合はどうですか?

千葉大学大学院 一川誠教授:
スポーツの試合だと午後の方が圧倒的に良いですね。記録も午後の方が出やすいです。

午前中は、やらなくてはならない家事などをする時間に充てるのがおすすめ。
午後は体が活発に動いていて時間がゆっくり過ぎるので、好きなことややりたいことをやると、より長く楽しめた感じがするということです。

充実した時間を過ごすには

充実した時間を過ごすには、まず刺激を増やすことです。
▼行ったことがない場所に旅行
▼新しいお店を開拓する
▼普段見ないジャンルの映画を見る
▼通勤ルートを変えてみる など
普段やらないことに積極的にチャレンジ。

さらに、刺激を定着させるために、1日の振り返りをするといいそうです。
▼頭の中で反すう
▼手帳や日記などに書き出す
▼写真を撮ってSNSなどにあげる

一川教授は、「経験したことの満足度は、実際に行っているときより、振り返ったときに評価される」と話します。

千葉大学大学院 一川誠教授:
失敗であれ成功であれ、経験したことを記憶に残すことは自己満足感や充足感を上げるのに役立ちます。とにかく何か特別なことを体験するのはすごく大事だと思います。

最後に時間の使い方についてうかがいました。

千葉大学大学院 一川誠教授:
やれることは多分無限にあって、多分誰にとっても時間は足りない。
子どもは時間を長く感じていますけど、かといって時間が十分あると感じているかというと「足りない」と感じていることが多いです。
やはり取捨選択して優先順位の高い方から片付けていかないと満足感はなかなか得られないので、「選ぶ」ことは子どもでも大人でも大事だと思います。

(ひるおび 2024年12月4日放送より)
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<プロフィール>
一川誠氏
時間研究の第一人者
日本時間学会会長
千葉大学大学院人文科学研究院教授