閖上での生活には欠かせなかった木造船「さくば」
そんな橋浦さんが、かまぼこのほかに、閖上の景色にいつもあったものと語るのが「さくば」です。
橋浦武さん:
「いっぱいあったんですよ、さくば。名取川に停めてあった」

「さくば」とは、昭和30年代ごろまでこの地域で漁船や渡し舟として使われていた、手漕ぎの木造船のこと。
4メートルほどの小舟で、橋浦さんは「水上の軽トラ」と表現します。
実はこの「さくば」、おそらく閖上でしか通じない言葉とのこと。
仙台市出身で日々県内を取材してまわっている筆者も、この取材を通して初めて耳にした言葉で、実物を目にしたことはありません。

橋浦武さん:
「生活の一部ですね。これがなかったら大変でした。川があるまちだから、生活に利用していた」