週20時間労働で厚生年金 手取り減でも…メリットは?

良原キャスター:
では、社会保険に「入る」「入らない」どちらがお得なのでしょうか。
ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんによりますと、「万が一の時の保障が手厚くなるので、長い目で見ると加入した方がお得」ということです。

【社会保険加入のメリット】
▼国民年金に加えて、厚生年金がもらえるため、将来もらえる年金額が増える
▼病気・けがで休業の場合、給与の3分の2が支給される
▼障害年金や遺族年金が手厚くなる

良原キャスター:
一方で、スーパーアキダイの秋葉社長によると「うちのパート従業員全員が社会保険に加入となると、年間約1800万円が会社の負担になる」ということです。厚生年金の50%は加入者負担ですが、残る50%は会社が負担するものです。

ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんによりますと、「パートの働く時間を少なくしようとする企業が出てくるかもしれない」という懸念もあるということです。

井上キャスター:
確かに会社側の負担も考えてということになるのだろうと思いますが、理念としても“働き控え”になるのではなく、頑張った人が頑張った分だけ対価をもらえ、頑張って働いた分、年金・保険料を納めることは当然というところに立ち戻るシステム作りは大切なのかもしれません。

松田丈志さん:
社会保険の仕組みを生かし、加入すること自体は良いと思うのですが、厚生労働省が撤廃を考えている中で、他に無駄な税金は使っていないかということも、もっと精査していってほしいと思います。

ホラン千秋キャスター:
「長い目で見ると…」ということでしたが、長期的に働くことを考えていない方、お子さんの成長によって働く時間を変えたいという方もいると思うので、その場合はどうなるのかという部分もあります。

井上キャスター:
今回、玉木代表を軸にして「103万円の壁」がクローズアップされて、「106万、130万の壁もある。やはり一つだけでは駄目だ。もっと全体をどうしていくのだろうか」という、議論の出発点はとても良い方向性なのかなと思います。

松田丈志さん:
与党が過半数を割ったことにより、それらの議論が我々の目に見えるところで今後、国会で進められることは本当に良いことだと思います。我々も注視して、より良い社会を一緒に作っていくという気持ちで国会の進捗を見ていきたいと思います。

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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父