「103万円の壁いらない」忘年会シーズン前に店側・バイト側の切実な声

キャスティングボートを握る国民民主党が提案しているのが、いわゆる「103万円の壁」の見直しです。今の制度では、年収が103万円を超えると所得税がかかることになります。

学生アルバイトの場合は、親が扶養控除を受けられなくなるケースがあることから、働き控えを招いています。このため国民民主党は103万円の壁を178万円に引き上げるよう訴えています。

現場の声は切実です。約30人の学生アルバイトを抱える都内の居酒屋「大馬鹿地蔵」。忘年会シーズンに向けて人出が必要な時期ですが、シフトを組む際「103万円」が妨げになっているそうです。

大馬鹿地蔵 石塚浩平店長
「忘年会シーズンなので、繁忙期にアルバイトさんが使えないと、やはりさばけない、売り上げをつくれない。出ていただけるように(シフトを)分散させている」

店側は各アルバイトの労働時間に目を配り、シフトを管理しているといいます。

大馬鹿地蔵 石塚店長
「(103万円の壁)無い方がアルバイトさん達にも上手く働いていただけると思うし、その方がこちら(店側)もメリットとしてすごくある」

都内在住の大学4年生の女性は、居酒屋とイタリアンのアルバイトを掛け持ちしているということです。

アルバイトを掛け持つ大学4年生
「103万円の壁もあって、11月は稼げてもあと6万円しか稼げなくて。毎月12万円ぐらいは稼ぎたい」

彼女は年収をアプリで管理。11月はシフトを減らしているといいます。また、年末になると親から103万円を超えないよう釘を刺されるそうです。

アルバイトを掛け持つ大学4年生
「10月、11月になると(親から)『大丈夫そう?』と声がかかって、11月、12月になると週1ぐらいでLINEで『本当に大丈夫?』って。(親には)『もちろん大丈夫だよ』と。103円の壁はいらないって思っちゃう」