1週間で習得できる「一流店」の技
取材した日に会ったのは、二人の韓国人男性。独学で韓国にラーメン店を開いたジョンさんと、その常連客のソさんです。

来日すると1日に4軒ほどラーメン店を回り、既に500杯は食べたというジョンさんですが、店を大きくするため「日本の味を学ぼう」と入門を決めたといいます。
ソさんは、日本のIT企業に就職し、製麺機を買って自宅で麺をうつほどのラーメンマニアに。いつか自分の店を持ちたいと考えています。
1週間で学ぶのは、【豚骨・鶏ガラ・魚介など様々なスープや、タレの作り方】から、【麺の打ち方】、【具の調理法】、さらには【経営のコツ】まで。一流店の技を余すところなく習得できるプログラムです。
ぐつぐつ煮える寸胴を前に指導を受けるジョンさんとソさん。
講師・橋本比呂志さん:
「沸騰してアクを取ると今度肉片が出てきちゃう。肉片を取るということは旨味も一緒に取っちゃう」
ソさん:
「本当にアクだけを取る?」

料理に合わせて丁寧にアクをとり、うまみを追求する日本の食文化。
海外ではアクも味の深みとして残すこともあるそうですが、ジョンさんは、味を韓国人の舌にあわせるのではなく「日本の味をそのまま伝えたい」と熱心に聞いていました。
タイ出身で、オーストラリア在住のベルさんが挑んでいたのは、シドニーで人気の「鶏白湯」。

埼玉で行列店を営んでいた普天間英木さんに相談しながら一緒に味を決め、さらに「味だけでなくインパクトも欲しい」というベルさんに、普天間さんは、スープを泡状にして麺に絡みやすくさせる秘策「泡系鶏白湯」を伝授。

ベルさんはラーメン激戦区シドニーでの開業を目指しています。
タイ出身のベルさん:
「100%自信があります。オーストラリアで有名になります!」
これまで『食の道場』を卒業したのは、日本人を含め約1600人。開業資金の難航などで実際に開業してるのは半分ほどですが、卒業後のつながりも大事にしているといいます。

『食の道場』秋本茂克さん:
「終わった後にどれだけその人と付き合えるかどうか。連絡をしたり、もらったりしながら、うちの生徒であれば見に行きます」