死亡推定時刻は午後8時~10時 事件当時の状況は?

 直接証拠のない今回の裁判。今後、どのように進んでいくのでしょうか。検察側の冒頭陳述での主張に関して4つ見ていきます。

 (1)事件当日の状況
 (2)覚醒剤入手
 (3)動機
 (4)須藤被告のウェブ検索・閲覧

 まずは、事件当日の状況についてです(※検察側の冒頭陳述より)。

【事件当日の状況】(2018年5月24日)
 野崎氏宅には野崎氏・須藤被告・家事代行の女性
 ▼午後3時13分:家事代行の女性が外出
 ▼午後8時7分:家事代行の女性が帰宅
 ▼午後10時36分:須藤被告が野崎氏の異常を家事代行の女性に伝える

 冒頭陳述によれば、家事代行の女性が外出している間、野崎氏と須藤被告は約5時間にわたって2人きりの状態でした。野崎氏の死亡推定時刻は午後8時~10時。この死亡推定時刻などから、覚醒剤の摂取は午後4時50分ごろ~8時ごろの間と検察側はみています。また、須藤被告が所持していた“歩数をカウントするアプリ”の解析から、この間、被告が8回以上、野崎氏がいる2階へ行っていたと主張しています。

 覚醒剤の入手と事件の動機に関する検察側の主張は以下の通りです。

【覚醒剤入手】
 ▼4月に覚醒剤の密売サイトに掲載されている連絡先と携帯で通話
 ▼少なくとも3g以上(致死量の3倍以上)の覚醒剤を注文
 ▼和歌山で十数万円を支払い“覚醒剤と思われるもの”を入手

【動機】
 ▼須藤被告は野崎氏の“財産目当て”に結婚
 ▼野崎氏は周囲に「離婚する」と漏らしていた
 ▼野崎氏の資産がないと須藤被告は困窮