文字から伝わる“戦争の息遣い” 学校日誌に記されていた戦時下の日常
小川彩佳キャスター:
日々、したためられた日誌から浮かび上がってくるもの、伝わってくるものというのがありますね。

トラウデン直美さん:
大きな戦争の出来事に気を取られがちですが、日常の中にある戦争、日常に襲いかかってくる戦争というものが、一人ひとりの人生の中で出会って欲しくないものがこういった資料から見えてくるというのは、すごく感じるものがありますね。
小川キャスター:
突然戦争が起きるのではなく、じわじわと日常を侵食していくものなのだな、ということも感じられます。黒塗りをしようにも文字が浮かび上がってくる、手書きの記録の力というのも感じますね。

須賀川記者:
当時の戦争の息遣いがこのような文字からでも見えてくるんだ、ということをすごく感じました。紹介したのは「敵機襲来」というような言葉ですが、そのような悲劇的なシーンだけではなく、「校庭で芋を作るために動員された」というように、生活のひとつひとつが浮かび上がってきます。
そして、驚きなのが「79年前の記録」ということです。私たちは約80年前の戦争から色々と学び、国際人道法のようなものが世界の常識になりかけています。しかし結局、今はウクライナやガザ、スーダンのような様々な国で、そのようなものが全くないがしろになってしまっている。
だからこそ、「日本の私たちが何が出来るか」を考えると、私たちは戦争当事国であり、当然被害者でもあり加害者でもありました。その痛みを乗り越え、今このような資料を伝えて、当時の戦争の記憶を物語にして伝えることができる、というのはひとつ私たちの責任でもあり、世界にそのようなことを発信していくべきだと強く思います。
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<プロフィール>
須賀川拓 記者
前JNN中東支局長
ガザ・イスラエル・イラン・シリアなど中東地域を取材