不安を抱えるメンバーたち
「注文に時間がかかるカフェ」に一緒に参加したのは、大学生の藤本莉緒さん(20)と高校生の上津原嵩仁さん(17)です。カフェのオープン前、2人はそれぞれ不安を感じていました。
大学生 藤本莉緒さん(20)「吃音の症状がどのくらい出るか心配です」
高校生 上津原嵩仁さん(17)「不特定多数の人と喋るのが不安です」

カフェでは受付の説明と注文に分かれて接客します。
3人の挑戦が始まりました。
藤本さん「さえぎったり推測して代わりに言ったりせずに 言い終わるまで待ってください」
嶋本さん「他の人と同じように接してくれると、自分も輪に入れているのかなと安心します」
症状が出ても決して隠しません。会話を通して互いに理解を深め、多くの人と話すことで、自分をさらけ出すことへの恐怖心も徐々に薄まります。

藤本さん「国語の授業の音読が一番きつくて、言葉の言い換えができないので」
客「うん、うん」
それぞれのテーブルから聞こえる笑い声。はじめの不安が嘘のようにお客さんと会話を楽しむ3人の姿がそこにはありました。

お客さんも楽しんでもらえたようです。
参加した親子「息子も吃音なので他の吃音の方に接する機会になればと思って」
「オレンジジュースが おいしかった」
自分を変えるための一歩に
カフェを終えた3人は、手ごたえを感じていました。
藤本さん「自分がつっかえながらでも聞いてくれる方がたくさん いらっしゃることをすごく感じたので、前向きになれたと思います」

上津原さん「最初と比べて明確な根拠があるわけではないですが、少し成長することができたと感じます」
嶋本さん「やって良かったです。嬉しい。そういう声を生で聞けるのが一番嬉しい」
自分を変えるため、そして悩みを抱える人たちに届けるため。嶋本さんたちはこれからも思いを言葉に託します。