ほぼ均一な通常のブナシメジと比較すると、ばらつきがあり、その分、エリンギのような大きなものもあります。

北浦舜さん:
「きのこの生命力は、すごいなと改めて思いましたし、地震で倒れずに生き残ってくれたことは、私も復旧作業に行っていた1人として感動した」

通常の栽培との違いは「培養期間」です。

土の役割をする培地に菌を着けて菌糸を成長させる「培養」は通常70日間。

能登工場にあったものは、被災で「放置」せざるを得ず、培養期間が210日以上と通常の3倍以上になりました。

ブナシメジは、培養のあと、表面を削るなどすると、食用になる「芽」ができ、2週間の「生育期間」を経て収穫になります。

地震を経て立派に育った「奇跡のぶなしめじ」。

公的機関で調べたところ、グルタミン酸などのうまみ成分が、通常のブナシメジのおよそ1.5倍含まれることがわかりました。

能登工場の復旧作業は6月末にはほぼ終了。

培養中に被災した「奇跡のぶなしめじ」もおよそ120万本残っていて、8月の中下旬から販売を始める方向で、このほか地元での「ふるまう会」も計画しています。

北浦舜さん:
「皆さんの食卓に並んだ暁には、これを食べて少しでも笑顔になっていただきたい。そして石川県の地震(能登半島地震)を忘れないで欲しいと思います」