能登半島で今年1月、栽培中に地震の被害にあったブナシメジを再生させるプロジェクトが長野県信濃町の工場で進められています。
そのシメジには、意外な魅力があることもわかりました。


信濃町など県の内外に工場を持ち、主にブナシメジの生産・販売を手掛ける「ミスズライフ」。

カット済みで、そのまま調理に使える商品が特色です。

ミスズライフ マーケティング本部 北浦舜さん:
「湿気や光、温度を一定にして、おいしいブナシメジを成長させる部屋になっています」

室温13度、湿度100%のひんやりした室内で栽培されるブナシメジ。

この中に、今年1月の能登半島地震で被災した工場で栽培されていたシメジがあります。

石川県穴水町で2014年から稼働する能登工場。

1月1日、震度6強の揺れで、栽培中だった約280万本の瓶が散乱するなどの被害を受けました。

ミスズライフ マーケティング本部 北浦舜さん:
「もう通路が通れないほど瓶が散乱している状態で、それを初めて目の当たりにしたときは片づけがいつ終わるんだろうというのが真っ先に思い浮かんだ」

地震から1週間後からは、長野県内の社員も現地に泊まり込み復旧作業にあたりました。

キノコや瓶の中身を廃棄する日々。

そんな中、倒れなかった瓶を調べてみたところキノコの菌がまだ生きていることがわかりました。

北浦舜さん:
「これはこのまま育ててみると面白いかもしれない、育つかわからないけれど、まずはやってみようと」

5月以降、菌が生き残った瓶の一部を能登から信濃町の工場に移し栽培を継続。

すると、ちょっと変わったブナシメジが育ちました。