■海の底に沈んだ軍艦「力尽き…」歴史的大敗を証言

ハワイ諸島から西に2000キロに位置するミッドウェー沖。
今も、日本の軍艦が、深い海の底に沈んでいます。空母「加賀」です。

加賀の乗組員だった山口三次さん、100歳。
「加賀」元乗組員 山口三次さん(100)
「もう、死ぬっていうことは、全く恐ろしいことじゃなかったですね。兵隊でいる間は」
当時20歳だった山口さん。1942年6月、ミッドウェー海戦に参加しました。
戦争初期、連戦連勝の日本。その勢いのまま、空母4隻を投入するという巨大戦力で臨みました。
しかし、日本の作戦はアメリカ軍に傍受され、先手を打たれたのです。
(6月5日 午前7時22分ごろ 空母加賀爆撃)
「加賀」元乗組員 山口三次さん(100)
「敵の飛行機が急降下してきよったん」
ーーそれは、見たんですか?
「加賀」元乗組員 山口三次さん(100)
「私は肉眼で見たんです。こっちから飛んできよったの。それで、艦橋の前にそれ(爆弾)が落ちた。それまではわかっとって、それから先はわからず、気づいたときは、私は海の上だった」
海に吹き飛ばされた山口さん。周りには多くの戦友の姿が・・・
「加賀」元乗組員 山口三次さん(100)
「それで中には、ひとり沈み、ふたり沈んでいったですよね。それで、ひとりはもう、足かなにか、ケガしとったんですよね。力尽きて、『おっかさん』っていって、沈んでいったんですよ。かわいそうでしたよ」

アメリカ軍の攻撃は激しく、「空母・赤城」「蒼龍」にも着弾し、炎上しました。
そして、唯一残っていた「飛龍」は、アメリカ軍の空母「ヨークタウン」を大破させるも、攻撃を受け、その後沈没。
日本は、交戦開始から1日あまりで4隻もの空母を失いました。歴史的大敗です。
しかし、新聞各紙には、日本が勝ったことを伝える見出しが、踊りました。