一方、弁護側は万引きを繰り返してしまうのは「窃盗症」による影響で、自分ではコントロールできないと主張。すでに85歳と高齢で、長期の懲役は酷などとして、懲役1年6月を求刑しました。

判決は6月21日に言い渡されます。

▽窃盗症とは

女の弁護士が主張する「窃盗症(=クレプトマニア)」とはどういった病気なのでしょうか。クレプトマニア医学研究所の福井所長に話を聞きました。

クレプトマニア医学研究所 福井裕輝 研究所長


クレプトマニア医学研究所 福井裕輝 研究所長
「窃盗に対する依存ということです。つまり窃盗するということは、何らかの金銭的な利得があったりするわけですけども、そういった目的ではなく、窃盗行為に対するドキドキ感とか、快楽を求めて繰り返しやってしまう。そして、それを自分で止めようと思っても止められないというような状態です」

そして、窃盗症の診断には、以下の基準が挙げられているそうです。
(DSM-5の場合)

A.個人的に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のためでもなく、物を盗ろうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される

B.窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり

C.窃盗に及ぶときの快感、満足、または解放感

D.その盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想または幻覚への反応でもない

E.その盗みは、素行症、躁病エピソード、または反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明されない