「守備面でも打撃面でもまだまだ課題がある」

ただ、この日は課題も見えた一戦となる。バント処理のミスとパスボールがいずれも失点につながり、チームは敗戦。試合後、半年前より少し逞しくなった彼は「自分の甘さが出た部分もあった。1軍に上がるために、守備面でも、打撃面でも、まだまだ課題があるので、1個1個(課題を)つぶせるように全力で頑張っていきたい」と、冷静に振り返った。

地元・静岡での3連戦を終えて、鈴木は2試合にスタメン出場し8打数1安打1打点。久々のがい旋は、彼自身にとって少しほろ苦いものとなったかもしれない。しかし、地元の野球ファンの目には、確実に静岡からプロの世界に飛び込んだ若武者が奮闘する姿が刻まれた。

シーズンはまだ始まったばかり。高卒新人捕手にかける球団の期待の高さは、ここまでのファーム戦で4分の3に出場している出番の多さや、ここに来て打線の中軸を担わせる機会が増加した点からも伺える。燕の背番号65が神宮球場で躍動する姿を見る日は、そう遠くない未来に訪れるかもしれない。