絵に書いたような上々の滑り出しも…
3月16日のファーム開幕戦ではいきなりスタメンマスクを被り、5打数3安打2打点。同点で迎えた9回裏2死満塁の場面ではセンターへのサヨナラ打も放った。2軍戦とはいえど、絵に書いたような上々の滑り出しだ。
高卒新人捕手への期待は最初から高かった。それもそのはず、ドラフト時点で評価が高かった守備力に加え、今年1月の新人合同自主トレでは2軍本拠地である埼玉県・戸田球場のバックスクリーンを越える打球を2発も放った。長打力においてもレベルの高さを示したのである。

調子は上向きのまま、ファームで実戦経験を積み、4月後半まで打率は3割超を維持。4月24日には1日限りではあるものの、1軍に混じって練習を行ったという報道もされた。
しかし、5月に入り、少しずつ期待の新人をプロの厳しさが飲み込んでいく。内外いっぱいにコントロールされたプロの投手の球は、やはりそう簡単には打つことはできない。気づけば、打率も2割2分台(5月19日終了時、打率2割2分6厘)まで落としていた。
プロとして着実に経験を積みつつ、迎えた草薙球場でのくふうハヤテ戦。5月14日の初戦で、鈴木は5番捕手としてスタメン出場し、地元の野球ファンを沸かせた。1点を追う6回表、チャンスで打順が回ってきた打席で初球を狙い打ち。三塁線を破る適時二塁打となった。同点打を放った鈴木には地元ファンに加えて、球場に応援へ来ていた母校・常葉大菊川高の後輩たちからも歓声が上がった。