大事にしているのは「病気」ではなく「人」を診るということ
大阪府河内長野市にある水野クリニックの院長・水野宅郎さん(46)。内科と小児科を開設していて、父の代からこの地で地域の医療を担っています。
いま力を入れているのは訪問診療です。取材した日、訪問診療したのは70代の女性。
(患者に話す水野さん)「どうしたの?えらいしんどそうや」
末期がんで在宅療養をしていて、この日は肺の外側に水が溜まり、全身に倦怠感を訴えていました。
(水野さん)「直接針を刺して抜くという方法もあることはあるけど、量が少ないと刺せないんですよ。量がいっぱいだと刺せるんですけど。少ないと肺を傷付けたりするので。利尿剤を増量するとしんどいかなという感じやな」
(患者)「先生にお任せします」
(水野さん)「え?お任せしてくれるの?」
現在、水野さんら医師3人で受け持っている訪問診療の患者は約150人。大事にしているのは、病気を診るのではなく「人」を診るということです。
(水野宅郎さん)「病気だけじゃなくて『この人、何を求めているんやろ』って考えた方が満足度は上がると思うけどな。最後の方は、医療っていうより人と人との付き合いという感じやな」