MFAサイトとコタツ記事の類似性

確かに、MFAサイトは定義が難しそうだ。だが待てよ、こういう構造のサイトはよく見かけないか?そうだ、コタツ記事だ!やつらは、タレントの気になるひとことで誘い込んで、記事の周りを広告で囲みどれが記事かわからない。次のページへのボタンを押すと画面一杯に広告が表示される。MFAサイトの判別は難しいが、MFAサイトとコタツ記事の判別だって難しい。コタツ記事はMFAサイトと変わらないのではないか?

さっきの新聞雑誌デジタルの広告費が突然伸びなくなったのはなぜか。私はこう推測してみた。

まず生成AIの進化に伴ってMFAサイトが急速に増殖した。これらはネット広告市場に侵食し、その一部をどんどん奪っていった。それにより、広告単価が下がった。なにしろ、広告を表示する場所が急速に増えていたのだ。需要を供給が超えて価格は下がっていく。

従来のメディアは慌てた。広告収入がなぜか下がっていく。これは広告表示を増やすしかない。そのスペースを広告にしろ!記事の上に広告を載せろ!あと何かできることはないか。彼らは参考になるものを探したら、それとは知らずにMFAサイトを見つけた。これはすごい!こんな広告表示の方法があったとは!どんどん真似しろ!

こうして、コタツ記事とはいえ真っ当だったはずの既存メディアも、MFAサイト並みに広告を増やしていく。するとますます供給過多になり、広告単価は下がるばかり。その結果が「日本の広告費2023」の衝撃のデータだった。これは私の推測ではあるが、米国ではすでにMFAサイトが大問題になっており、運用型広告市場を明らかに侵食しているそうだ。同じことが日本でも起こっていると見ていいと思われる。