「情報汚染」の最たるもの=MFAサイトとは
いま、インターネットの世界で「情報汚染」が始まっている。生成AIの進化でコンテンツが簡単に作れるようになり、悪用されているのだ。顕著な例が、最近はニュースでも取り上げられるSNSの詐欺広告。だがこれは汚染の一端に過ぎない。
もっと恐ろしいのがMFA(Made For Advertising)サイトだ。何者とも知れない連中が作ったサイトで一見メディアのような見え方だ。だが広告収入を得るためだけに作られた巧妙なサイトなのだ。ただ正体不明でその実態は把握しにくい。
そこで、アドフラウドやMFAサイトの対策ツールを開発するSpider Lab社の増田潤氏に、その実態を教えてもらった。
MFAサイトは、アクセスすると記事のようなコンテンツの周りに広告がひしめいている。少しでも多く広告収入を得る魂胆だ。そんな悪意を持つサイトが、知らない間にアドネットワークの配信先に紛れ込んでいる。企業がまっとうなメディアに投入しているつもりの広告費の一部がMFAサイトに掠め取られるのだ。
さらにMFAサイト自身が広告費を払ってメディアから人々を誘導し、さらに多くの広告費を稼いで利ざやを稼ぐ手法もとっているらしい。
増田氏はMFAサイトの例も挙げてくれた。その構造を簡単に示したのがこの図だ。

MFAサイトをどう判別するか。増田氏はこう言う。
「判別の定義は難しいところがあります。業界として基準があるわけではありません。一例としては、今までMFAサイトと判定したものとどれだけ近いのかを弊社では見ています。」