“見えない”だけに『どうやって効果を認識してもらうか』
開発担当の畑澤健二さんもシャープ出身の一人で、今回のテーブルエアー開発の中心を担っています。実験室では空気のパーティションの肝となる空気のデータ測定をしていました。
(テーブルエアー開発担当 畑澤健二さん)
「ここからのパイプの穴からの風速、ようは風の強さですよね。それがそれぞれの高さでどれくらいまで来ているか」
光触媒で除菌された空気がパーティションとして必要な高さまで均等に出ているか確認する重要な作業です。この形状に至るまでも苦労の連続でした。
(テーブルエアー開発担当 畑澤健二さん)
「これが試作の山です。これは全部ボツですね」
今年6月、畑澤さんたちはできたばかりの試作品を手に、大阪・中央区にあるお好み焼き店「千房」に来ていました。ニーズはあるのか、改良すべき課題は何か、実際に使ってもらい把握する狙いです。
設置するのは現在はアクリル板が置かれているレジのカウンターそば。
(千房・千日前本店 岩田結衣店長)
「アクリル板とマスクがあると(声が)少し聞き取りづらい部分はありますね。耳を傾けないといけない場面も多くなるので、空気で遮断してくれるならだいぶクリアになりそうですね」
カウンターの枠に沿うようにテーブルエアーを設置していきます。10分ほどで作業は完了しました。
(千房・千日前本店 岩田結衣店長)
「スッキリ感はすごくありますね。でも、それ(感染対策)がどこまで伝わるかですよね、お客さまに」
目に見えない空気のパーティションだけに、どう効果を認識してもらうかが課題です。
“効果の見える化”はできないか。そこで協力を求めたのが「理化学研究所」でした。電子タバコを使い、人間の呼気のマイクロ飛沫がどのような動きをするか、撮影を試みることに。
何もしないと対面の人に届いてしまいますが、稼働させると吐き出した呼気が空気のパーティションで遮断されて沿うように上がっていくのがわかります。
(理化学研究所 斎藤徳人さん)
「思ったよりきちんと遮断できているなと思いましたね。もっと拡散するかと実は思っていたんですけれども。意図的に強めに吐いている状況ですね、その条件であれだけきちんとシールド(遮断)してくれていることがわかりますので」
畑澤さんたちも手応えをつかんだようです。
(テーブルエアー開発担当 畑澤健二さん)
「けっこうキレイにできているんじゃない?いいと思います」