“光触媒”に惚れこみ起業を決意…社員8人→62人に成長

 そんなシャープの第一線で活躍していた染井さんがなぜ独立を決心したのでしょうか。

 (カルテック 染井潤一社長)
 「シャープさんは『プラズマプラスター』という有名な技術があったものですから、それと少し対抗するような技術だったので。“光触媒”という技術が気に入って、これは世の中に出すものだと自分でも強く思ったので。周りの反対もいろいろあったんですけれども思い切って起業しようかなと」
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 染井さんが惚れこんだ光触媒、それがこの白い液体です。
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 酸化チタンを主原料とする物質で、LEDなどの光をあてるとウイルスや臭いのもとを「水」と「二酸化酸素」に変える働きがあり、除菌や脱臭の効果があるとされています。
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 この光触媒を応用した独自技術こそカルテックの生命線とも言えます。起業した翌年に発売した「壁掛けタイプの除菌脱臭機」は、新型コロナウイルスを減少させる効果があるとして15万台を売り上げる異例のヒット商品になりました。

 (カルテック 染井潤一社長)
 「カルテックといえばこれですね。創業して自社ブランドで出したのがこの“壁掛け”が最初なんです。これはカルテックのエンジニアの思いがこもった商品なんです」 
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 たった8人で立ち上げた会社は現在は社員62人を抱えるまでになりました。この成長を支えているのも実はシャープ出身者です。

 (カルテック 染井潤一社長)
 「シャープ出身者は手をあげましょう。技術者は多いんですよね。愛というよりも、僕らはシャープで育ててもらったので、それを違う形で世の中に貢献したいというのが僕らの思いなので。みんなそういう気持ちでやっています」