なぜ成長が早いと良いのか

こうしたなか、畠山さんはセンターが研究しているワカメを提供してもらい試験栽培に取り組みました。その結果、今年初めて収穫に成功しました。従来のワカメと比べても質は劣らないといいます。

ワカメ漁師 畠山義弘さん:
「左が塩釜の種、右が試験場の新しい種。初めて(育てた)にしては、順調な育ちで。ワカメの伸びは挟んだときから、普通15センチくらいだったのが倍以上にこの(試験場の)種は伸びた」

従来のワカメでは、水温が生育に適正な水温(約20度)になるまで、養殖を始めるのを待つ必要があります。待つことによってワカメの養殖開始時期が遅れるため、養殖の期間が短くなり、収穫されるワカメは小ぶりで、等級が下がります。

一方、センターで研究されているワカメは、適正な水温よりやや高い水温(約22度)でも、養殖を始めることができるため、養殖開始を遅らせなくてもよく、多少養殖開始が遅れたとしても、成長が早いため、収穫期には収穫に適正な大きさまで成長します。

しかし、普及させるには、まだ課題もあります。