抗がん剤治療の中、唯一食べられた“義母の塩むすび”…あの味を

4年前、35歳の時に乳がんの「ステージ3」と診断され、手術で右胸を全摘出しました。
(安藤梢さん)
「息子が、私のなくなった右胸を見て、『お母さんかわいいね』と言ってくれた。すごく支えられました、子どもの優しさに」


その後も、つらい抗がん剤の治療が続き、一時は抗がん剤の副作用で食べ物を口にすることができなくなりました。
そんな時、唯一、食べることができたのが、義理の母がつくってくれた塩むすびでした。


(安藤梢さん)
「持病のある義理の母が、震える手で一生懸命作って持ってきてくれた塩むすびが忘れられなくて。すごくおいしかったあの感動を、誰かに与えられたらなと思って」
義理の母がつくってくれたような塩むすびを、多くの人に食べてもらいたい。


しかし、安藤さんの夢はこれにとどまりません。
5年後にはがん患者同士が交流できるカフェを、そして10年後にはがん患者専用の露天風呂を作ることを目指しています。

(安藤梢さん)
「手術の痕が気になって、温泉や銭湯を諦めてしまった方が、羽を伸ばして手を伸ばして、いつも隠しながら入っているので、隠さずにのんびりできるような素敵な露天風呂。やりたいこといっぱいで忙しくて、再発している暇はないです」
同じ悩みを持つ人の支えになりたい。
安藤さんが作る、ほんのり温かく優しい味の塩むすびが、きょうも周囲に幸せを届けています。
