ネットにあふれる「電磁波攻撃」に関する情報
「電磁波攻撃」にさらされていると思うようになった河野被告は、得体の知れないその正体を探ろうと躍起になり、インターネットに入り浸るようになった。

河野被告を被害妄想に駆り立てていったインターネットの世界。実際にインターネット上で「電磁波攻撃」のキーワードで検索をしてみると、90万件近い結果が表示された。そこには「被害」を訴える声と並んで、電磁波攻撃対策をうたう業者のサイトも多数表示される。「電磁波攻撃」の存在について、あたかも科学的な裏付けがあるかのように記述しているサイトも見受けられた。その情報はとにかく膨大で多岐にわたる。
例えば、心が弱るなどして幻覚や妄想に悩む人が、体調不良の原因を「電磁波攻撃」に見出し、あるいは藁をもすがる思いでインターネット検索をした結果、これらのサイトにたどり着いた場合には、それまで抱いていた疑念が確信に変わる可能性もあり得るのではないかと感じた。