かつて避難所だった場所でフェスを開催する理由

──箭内さんはことし還暦を迎えるのを機に、3月30日から31日まで、初めて「さいたまスーパーアリーナ」でロックフェスを主催する。サンボマスターや乃木坂46らも出演する予定だが、この場所で行うのには“特別な理由”があるという。

箭内:
ちょうど13年前の3月は、「さいたまスーパーアリーナ」が避難所だったんですよ。福島県の双葉町の方々が、もう町ごと「さいたまスーパーアリーナ」に避難してたりして。そこで“今の音”を奏でるってとても大事だなと思って。

山口:
このフェスは、箭内さんの目から見て、クリエイティブ?

箭内:
クリエイティブの一つの要素として、AとBという違うものからCが生まれる。それってクリエイティブなんですよ。きっと音楽でもそういう経験あるでしょ。二つの楽器が向き合うことで、新しい音が生まれるみたいな。そういう意味ではすごくクリエイティブな(演者同士の)組み合わせなんだなと僕は思いますよね。

山口:
箭内さんは言葉に出来るのがすごいですよね。俺らはさ、何がクリエイティブかって分かんないけど、箭内さんは、その言葉にできるじゃないですか。いや、俺らは曲にするしかないけどさ。流石、東京藝大に現役で入った人は違う。

箭内:
いや、現役じゃない。3浪しました!高校に2回行ってる計算だよ。弟より若いやつと同級生だよ(笑)