ある州が、合法でない周辺州の需要を奪っていく…

(国際カジノ研究所 木曽崇所長)一つの州が合法に向かって進み始めると、周囲がそれに引き連れられて、雪崩式に合法化に向かうという形で、周りの中で一つだけが合法化をすると、周辺の合法でない州の需要をどんどん奪っていくんです。みんなが移動してきて遊び、お金が吸い上げられるだけになるので、周りの人たちは対抗策として、「うちも合法化する」と判断をしがちなんです。これをドミノ現象と言います。

――その中でカリフォルニアが違法にしているのは何か理由あるんですか?

 どちらかというと政治的な問題だと私は思っています。アメリカは二大政党制で、共和党と民主党で実はギャンブルに関しては「共和党の方が親ギャンブル政策」をとりがちです。民主党はどちらかというとネガティブです。カリフォルニア州はものすごく民主党が強い地域なんです。なので、ちょっと後ろ向きなのかなとは思います。

――もうひとつの理由「潜在的な需要」というのは。

 アメリカにカジノ関連の業界団体があるんですけれど、そこが合法化の前から基礎調査をやってるんですが、実は合法化される2018年より前から、アンダーグラウンドの賭博市場・スポーツ賭博市場の規模があることが推計されていて、急に出てきた需要というより、アングラだったものが合法化されて、表に上がってきたというような状況なのかなと思っています。